避妊について
結婚していてもいなくても、セックスパートナーのいる女性は、避妊について真剣に考える必要があります。というのは、セックスはそもそも生殖のための行為ですから、避妊せずにセックスすれば妊娠して当たり前、位に思うべきなのです。健康なカップルが避妊せずにセックスしていれば1年の間に8割に妊娠が成立します。
うっかり、望まない妊娠をしてしまえば、中絶手術の項に書いたように、身体的・精神的・経済的に大きな打撃を受けます。そうなる前に自分の体をしっかり管理しましょう。
日本では、避妊、というコンドームを連想する方が多いと思います。安価で手軽。でも、避妊の効果はおよそ85%、セックスの度に必ず、最初から最後まで(勃起してから射精まで)装着し、射精後は直ちにはずして捨てなければなりません。「手元にないときは省略する」「射精直前で装着している」「射精後はずすタイミングが悪くて膣内ではずれてしまう」など、覚えのある方は多いのではないでしょうか?
緊急避妊には、アフターピルを用いることが一般的ですが、そうなる前に以下のような「ミレーナ」や、避妊法がおすすめです
ミレーナ(子宮内避妊器具)
従来から銅付加IUD(子宮内避妊具)は使われてきましたが、不整出血や過多月経などの副作用がネックとなることがしばしばありました。「ミレーナ」は、子宮内に装着するのは銅付加IUDと一緒ですが、それだけではなく、レボノルゲストレルという黄体ホルモンを持続的に放出し、子宮内膜を変化させ妊娠しにくい状態にします。レボノルゲストレルは経口避妊薬(低用量ピル)に使われている第二世代の黄体ホルモンです。 これにより、ピルとほとんど同等の避妊効果を発揮すると同時に、従来の銅付加IUDとは逆に出血を減らし、いわば、ピルと銅付加IUDの両方の利点を併せ持つことになったのです。そして、その効果が5年持続します。ピルは使いたいけれど、毎日薬を飲むのは嫌だと思う人や、過多月経やそれに伴う月経困難に悩まされている人には朗報です。 子宮筋腫や子宮腺筋症の手術を減らすことも期待できるといわれています。当院では予約制で装着のご相談を受けております。ご希望の方はまず受診なさってみてください。
過多月経と診断された方にはIUS(ミレーナ®)が薬剤として保険で処方されます(挿入手技料は別途)
平成19年に「新しい子宮内避妊システム」として、日本に導入されたミレーナ®は、高い避妊効果とともに、顕著な月経量の軽減を特徴とする、優れた避妊システムですが、従来、保険がきかず、自費で7万~10万円かかっていました。それが、平成26年9月3日より「過多月経治療薬」として承認され、健康保険の適応が受けられるようになり、過多月経の診断がついた方は、ミレーナを薬剤として処方を受けられるようになりました。(挿入費は別途)
ただし、保険が適応されるのは「過多月経」「月経困難症」の患者さんであり、避妊目的では保険は適応されません。また、大きな子宮筋腫や内膜ポリープ、子宮腺筋症などで子宮内腔が著しく変形しているような場合は挿入しても脱出してしまう恐れがあるためお勧めできません。
逆に、特に器質的な原因がないのに、月経量が多くて毎月つらい思いをされている方や貧血に悩んでいる方には、有効な治療の選択肢が一つ増えたということができます。
過多月経には低用量ピルも効果がありますが、内服薬ですので全身への影響があること、特に40歳以上、BMI30以上の肥満がある、喫煙、コントロール不良な高血圧や糖尿病がある、など血栓症のリスクを持った方にはお勧めできないため、そういった状況が一つでもある方はIUS ミレーナ®はたいへん有効であると思われます。
当院ではいつでもIUSミレーナ®のご用意がありますので、気になる方はどうぞご相談ください。
銅付加IUD
IUDとは、Intrauterine deviceの略で、効果的で外すことで妊娠可能に戻せるな避妊方法です。銅が付加されていることで、避妊効果が高くなっています。
銅付加IUD費用
●5年有効 44,000円(税込) ●2年有効 38,500円(税込)